広島県スポーツ振興財団による大規模競技大会開催助成金 – 広島県北のスポーツ振興を目指して
1. はじめに
広島県北部に位置する三次市、庄原市、安芸高田市は、豊かな自然環境を活かしたスポーツ活動が盛んな地域として知られています。しかし、大規模な競技大会の開催には相当な経費負担が伴うため、地域のスポーツ団体にとって大きな課題となっています。
そこで今回は、公益財団法人広島県スポーツ振興財団が実施している「令和6年度大規模競技大会開催事業費助成制度」について、特に備北地域および安芸高田地域のスポーツ団体の皆様にとって有益な情報をご紹介いたします。
2. 概要
本助成制度は、広島県内のスポーツ振興と競技力向上を目的として、県内スポーツ団体が主催する大規模な競技大会の開催を支援するものです。助成内容について、主なポイントを詳しくご説明いたします。
まず助成金額については、大会の規模に応じて3段階が設定されています。西日本大会クラスで10万円、全国大会で20万円、そして国際大会ともなれば50万円という充実した支援が用意されています。
補助対象となる経費は、大会運営に不可欠な4つの項目、すなわち審判員などへの謝金、関係者の旅費、会場などの借損料、そしてプログラムや関係書類の印刷製本費が含まれます。
対象となる団体は、広島県スポーツ協会に加盟している競技団体か、もしくは県内で活動するその他のスポーツ団体となります。申請の締め切りは令和6年1月31日までとなっていますので、開催を検討されている団体は、お早めの準備をお勧めいたします。
http://www.sports-hiroshima.or.jp/budget/03daikibo.html
3. 想定される活用事例
ここでは、三次市を拠点に活動する「みよし少年剣道育成会(仮称)」の具体的な活用例をご紹介いたします。
①現状の問題点
この団体では、西日本各地の少年剣道チームを招いての交流大会開催を長年の夢としてきました。しかし、審判員への謝金(1日あたり5名で計5万円)、選手団の送迎用バス借上げ費用(3万円)、大会プログラム印刷費(2万円)、会場使用料(2万円)など、合計で12万円以上の経費が必要となり、実現を躊躇せざるを得ない状況でした。
②補助金による問題解決
本助成制度を活用することで、西日本大会として10万円の助成を受けることが可能となります。これにより、経費の大部分をカバーでき、参加者からの参加費負担も最小限に抑えることができます。
同様に、庄原市の「しょうばらジュニアバレーボールクラブ(仮称)」では全国大会の開催を、安芸高田市の「あきたかた武道振興会(仮称)」では国際交流柔道大会の開催を検討されています。それぞれ20万円、50万円の助成を活用することで、大会運営の財政的な課題を大きく軽減することができます。
4. 詳細な説明
①助成金額の詳細
助成金額は大会の規模によって明確に区分されています。西日本大会等では10万円、全国規模の大会では20万円、国際大会では50万円が上限として設定されています。ただし、全国大会や国際大会の場合、参加する都道府県数や国数によって、該当する区分の認定を受けられない場合もありますので、事前の確認が重要です。
②補助率について
各区分の助成金額は定額での支給となりますが、財団の予算範囲内での決定となります。そのため、申請が集中した場合、助成額が調整される可能性もあることを念頭に置いておく必要があります。
③補助対象経費の具体的内容
対象となる経費は以下の4項目に限定されています:
- 大会運営に携わる審判員や専門家への謝金
- 大会関係者の移動に必要な旅費
- 会場、設備、機材等の借用に関する費用
- 大会プログラムや関係資料の印刷費用
④補助対象者の要件
対象となる団体には、以下の4つの要件がすべて求められます:
- 団体の活動を規定する明確な規約の存在
- 代表者の氏名と団体の所在地が明確であること
- 収支を適切に管理する会計処理体制の確立
- これまでの具体的な活動実績の保有
⑤申請期限と重要日程
申請の受付期限は令和6年1月31日(水)までとなっています。また、事業実施後の実績報告は、大会終了から30日以内、もしくは令和7年4月10日のいずれか早い日までに提出する必要があります。
⑥申請要件の詳細
申請にあたっては、以下の要件を満たす必要があります:
- 大会の規模が最低でも西日本大会以上であること
- 1つの団体から申請できる事業数は2件まで(同規模の大会は1事業とみなす)
- 全国大会・国際大会の場合は、中央競技団体からの主催、共催、後援のいずれかが必要
5. 申請手順
申請から助成金受給までの流れを、段階を追って詳しくご説明いたします。
第1段階:交付申請
- 所定の様式(様式第1号)による助成金交付申請書を作成
- 広島県スポーツ振興財団(広島市中区基町4-1)へ提出
- 提出期限は令和6年1月31日まで
第2段階:事業実施
- 申請した大会の開催
- 適切な支出管理と証憑書類の保管
第3段階:実績報告
- 事業終了後、様式第2号による実績報告書を作成
- 大会終了から30日以内または令和7年4月10日のいずれか早い日までに提出
第4段階:助成金受給
- 財団からの助成金確定通知受領後
- 様式第3号による助成金交付請求書を提出
6. まとめ
本助成制度は、三次市、庄原市、安芸高田市といった広島県北部地域のスポーツ振興にとって、大きな推進力となることが期待されます。特に、これまで経費面での課題から大規模大会の開催を躊躇されていた団体にとって、大きなチャンスとなるでしょう。
申請手続きや要件の確認について不安がある場合は、各市の行政書士への相談をお勧めいたします。行政書士は申請書類の作成支援から要件確認まで、専門的な立場からサポートが可能です。特に初めて申請される団体は、ぜひ専門家のアドバイスを受けることをご検討ください。
広島県北部地域のスポーツ振興のため、この制度を積極的に活用していただければ幸いです。