「第4回ソーシャル・グッド基金」- 子どもたちの未来を創る地域密着型支援事業
1. はじめに
広島県北部地域では、経済格差の拡大や教育機会の不平等が年々深刻化しています。特に三次市、庄原市、安芸高田市の中山間地域では、地理的な制約も相まって、子どもたちや若者が直面する課題が複雑化しています。このような状況下で、公益財団法人日本フィランソロピック財団が提供する「第4回ソーシャル・グッド基金」は、地域の非営利団体にとって大きな支援の機会となります。この助成金は、困難を抱える子どもたちや若者たちの自立を支援し、より良い未来を築くための取り組みを後押しするものです。
2. 概要
本基金は、経済的な困難や教育機会の格差に直面する子どもたちを支援する非営利団体への助成プログラムです。総額1,200万円の助成枠で、1団体あたり最大200万円の支援を提供します。非営利活動を行う法人や任意団体が対象となり、人件費から事業運営に必要な諸経費まで、幅広い経費をカバーします。
特筆すべき点は、単なる一時的な支援ではなく、子どもたちの将来的な自立を見据えた持続可能な支援活動を重視している点です。申請期限は2025年1月8日17時までとなっており、活動実績2年以上の団体であれば応募が可能です。
https://np-foundation.or.jp/information/000235.html
3. 想定される活用事例
三次市を拠点に活動する「みよし子ども未来サポート(仮称)」の事例を詳しく見てみましょう。この団体は、外国にルーツを持つ子どもたちへの学習支援と文化交流活動を行っています。
①現在の問題点:
- 言語の壁により学校の授業についていけない子どもたちの増加
- 文化の違いによる孤立感や不安を抱える児童の存在
- 支援スタッフの不足と教材開発の遅れ
- 活動場所が限られており、遠方の子どもたちがサービスを受けられない
②補助金による問題解決:
本基金を活用することで、以下のような包括的な支援体制の構築が可能となります。
- 多言語対応の学習支援教材の開発と提供
- オンラインと対面のハイブリッド型学習支援システムの構築
- 専門的な知識を持つ支援スタッフの増員
- 保護者向け相談窓口の開設
- 文化交流イベントの定期開催
4. 詳細な説明
①補助金額について
総額1,200万円の助成予算から、6-8団体に対して支援が行われます。1団体あたりの上限額は200万円で、事業の規模や内容に応じて適切な金額が決定されます。
②補助率
補助率の明確な記載はありませんが、借入金や自己資金との組み合わせによる事業実施も可能です。持続可能な活動のため、助成金への過度な依存を避けることが推奨されています。
③補助対象経費の詳細
事業運営に必要な以下の経費が対象となります:
- スタッフやアルバイトの人件費(法定福利費含む)
- 事業に必要な消耗品の購入費
- 通信費や運搬費
- 印刷物の制作費
- 必要な機材やソフトウェアの購入またはリース料
- 専門家への謝金(申請額の50%以内)
- 事業管理に関する経費(申請額の5%以内)
④補助対象者の詳細
本基金の対象となる団体は以下の要件を満たす必要があります:
- 法人格を持つ非営利団体(社団法人、財団法人、特定非営利活動法人、社会福祉法人など)
- 法人格のない任意団体も申請可能
- 日本国内に主たる事務所を置いていること
- 2年以上の具体的な活動実績があること
特に重要な点として、宗教活動や政治活動を目的とした団体、特定の政治家や政党を支持・反対することを目的とした団体は対象外となります。純粋に子どもたちや若者の支援に焦点を当てた活動を行う団体が求められています。
⑤申請期限と重要な日程
- 公募開始:2024年11月18日(月)
- 申請締切:2025年1月8日(水)17:00
- 結果通知:2025年3月下旬(予定)
- 助成期間:2025年4月1日~2026年3月31日
⑥申請要件の詳細
申請にあたっては、以下の条件への同意が必要です:
- 助成金の適切な使用と会計処理の実施
- 適切なガバナンスとコンプライアンス体制の整備
- 反社会的勢力との関係がないこと
- 定期的な進捗報告と成果報告書の提出
- 活動報告会への参加
5. 申請手順
申請は全て電子申請システム「Graain」を通じて行います。具体的な手順は以下の通りです:
第1段階:準備作業
- 団体の活動実績や財務状況の整理
- 事業計画書の作成
- 必要書類の準備(登記簿謄本、定款、財務報告書など)
第2段階:Graainシステムでの手続き
- 新規アカウントの作成
- 基本情報の入力
- 事業計画の詳細な記載
- 必要書類のアップロード
第3段階:申請後の対応
- 必要に応じて追加資料の提出
- 選考結果の確認(2025年3月下旬予定)
- 採択後の助成契約締結
6. まとめ
本基金は、三次市、庄原市、安芸高田市の子どもたちや若者の未来を創るための重要な機会です。たとえば、庄原市の「比婆山学習支援ネット(仮称)」や安芸高田市の「高田若者サポートステーション(仮称)」など、地域に根差した支援活動の発展に大きく貢献することが期待されます。
申請に際しては、地域の行政書士への相談も有効です。申請書類の作成から事業計画の策定まで、きめ細かなサポートを受けることができます。何かご不明な点等ございましたら、どうぞお気軽にお声かけ願います。