三次市三次ブランド販路拡大支援事業補助金で新規市場への挑戦を支援!
1. はじめに
2024年4月、広島県三次市では「三次市三次ブランド販路拡大支援事業補助金」の募集を開始しました。この補助金制度は、市内中小企業の新技術・新製品開発や主力製品の販路拡大を支援する制度です。人口規模の大きい都市での産業見本市への出展支援や、インターネット環境の整備、さらにはパッケージリニューアルまでをカバーする包括的な支援により、三次市の企業の全国展開を強力にバックアップします。
https://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/soshiki/31/1556.html
2. 概要
本補助金制度では、三次市内の中小企業が取り組む販路拡大活動に対して、以下のような支援を行います。
① 補助金額
事業費の最大25万円まで補助を受けることができます。これは、大都市での展示会出展や効果的なパッケージリニューアルに必要な基本的な経費をカバーできる水準に設定されています。
② 補助率
対象となる経費の2分の1以内という補助率は、企業の自己負担とのバランスを考慮して設定されています。この仕組みにより、事業者は費用対効果を十分に検討した上で、戦略的な投資判断が可能となります。
③ 補助対象経費
次の3つの分野の経費が補助対象となります:
・産業見本市等への出展に関する経費:小間料、備品借上料、製品運搬料
・販路拡大のためのインターネット環境整備費用
・既存商品のパッケージリニューアルに係る経費
④ 補助対象者
三次市内に主たる事業所を持つ中小企業者が対象です。ただし、市税等を完納していることが条件となります。
3. 想定される活用事例
三次農産加工販売株式会社(仮称)の事例を詳しくご紹介します。この事例は、本補助金の活用方法を具体的にイメージしていただくためのものです。
① 現状の問題点
同社は三次市特産の農産物を活用した加工食品を製造していますが、以下のような課題を抱えていました:
・地元では高い評価を得ているものの、大都市圏での認知度が低い
・商品パッケージが商品の価値を十分に伝えられていない
・オンライン販売の体制が整っていないため、遠方の顧客へのアプローチが困難
② 補助金による問題解決
本補助金を活用し、以下のような段階的なアプローチで課題解決に取り組みました:
第一段階:産業見本市への出展
・東京で開催される大規模食品展示会に出展を決定
・展示会小間料(15万円)、展示用備品レンタル(5万円)、商品運搬費(5万円)の合計25万円のうち、12.5万円の補助を受ける
・展示会では、大手百貨店や専門小売店のバイヤーとの商談機会を得る
第二段階:パッケージリニューアル
・商品の価値を適切に伝えるため、プロのデザイナーに依頼
・三次市の地域性や商品の特徴を視覚的に訴求する新デザインを開発
・パッケージデザイン費用(20万円)のうち、10万円の補助を受ける
第三段階:インターネット販売体制の整備
・商品写真の撮影と商品紹介ページの制作
・受注管理システムの導入
・WEBサイト構築費用(24万円)のうち、12万円の補助を受ける
これらの取り組みにより、次のような成果が期待できます:
・展示会での商談を通じた新規取引先の開拓
・新パッケージによる商品価値の適切な訴求
・オンライン販売による新規顧客層の開拓
4. 詳細な説明
① 補助金額の詳細
上限額25万円は、1補助対象者につき1回限りの申請となります。この金額設定により、次のような事業展開が可能となります:
産業見本市出展の場合:
・小間料:15万円程度
・備品借上料:5万円程度
・製品運搬料:5万円程度
合計25万円の事業に対し、最大12.5万円の補助
② 補助率の詳細
補助率は対象経費の2分の1以内で、具体的な計算方法は以下の通りです:
・対象経費の算出:消費税および地方消費税を除いた金額が基準
・他の補助金との調整:国や県、その他の地方公共団体からの助成金がある場合は、その額を控除
・端数処理:千円未満の端数は切り捨て
③ 補助対象経費の詳細説明
- 産業見本市等への出展関連費用
新技術、新製品または主力製品の販路拡大のための見本市、展示会、博覧会、商談会、物産展等への出展に係る以下の経費:
・小間料:展示スペースの使用料
・備品借上料:展示用什器、照明機器等のレンタル費用
・製品運搬料:展示品の配送・搬入出費用 - インターネット環境整備費用
販路拡大を目的とした以下のようなデジタル環境整備費用:
・ECサイト構築費用
・商品撮影費用
・受注管理システムの導入費用 - パッケージリニューアル費用
既存商品の販路拡大のために行うパッケージ刷新に関する以下の経費:
・デザイン費用
・パッケージの試作費用
・デザインに関する市場調査費用
④ 補助対象者の詳細要件
- 地理的要件
・三次市内に主たる事業所を有する中小企業者 - 法的要件
・中小企業基本法第2条に規定する中小企業者であること
・市税等の納付を完了していること - 対象製品要件
新技術・新製品については、次のいずれかに該当することが必要です:
・補助対象者が初めて開発または生産する製品で、経営基盤の強化や事業規模の拡大が見込めるもの
・既存の技術・製品に新たな技術要素を付加したもの
主力製品については、以下の条件を満たすものが対象となります:
・補助対象者が特に注力している製品
・収益性の高い製品、または市場での高いシェアを持つ製品
5. 申請手順
申請から補助金受給までの具体的な流れを、時系列に沿って詳しく説明します。
Step 1:事前準備(2~3週間程度)
・事業計画の策定
- 展示会や産業見本市の選定
- パッケージリニューアルの具体的計画立案
- インターネット環境整備の詳細検討
・見積書の取得
- 複数の業者から見積もりを取得することを推奨
- 価格の妥当性を確認
・必要書類の収集
- 納税証明書
- 会社の事業概要資料
- その他市が求める書類
Step 2:申請書類の作成(1~2週間程度)
必要な申請書類:
- 交付申請書
- 事業計画書:具体的な実施内容と期待される効果を記載
- 収支予算書:経費の内訳と資金計画を明記 - 産業見本市等の開催が確認できる資料
- 展示会案内やパンフレット
- 主催者発行の資料 - 補助対象経費の積算根拠となる資料
- 見積書の写し
- 経費内訳明細 - その他、市長が必要と認める書類
Step 3:申請書類の提出
提出先:三次市産業振興部商工観光課商工労働・企業誘致係
提出方法:
・窓口持参の場合
住所:三次市十日市中二丁目8番1号
受付時間:平日8:30~17:15
・郵送の場合
上記住所宛に簡易書留等の追跡可能な方法で送付
Step 4:審査期間(約2~3週間)
・書類審査
- 申請内容の確認
- 補助要件との適合性チェック
・必要に応じて追加資料の提出要請や説明を求められる場合があります
Step 5:交付決定
・交付決定通知書の受領
・この通知を受けてから事業開始が可能となります
Step 6:事業実施
・計画に沿った事業の実施
・経費支出の証拠書類の適切な保管
- 請求書
- 領収書
- 振込明細書
- 写真等の実施証明資料
Step 7:実績報告
提出期限:事業完了後30日以内
提出書類:
・実績報告書
・事業実施の証拠書類
・経費支出の証拠書類
・その他市が求める資料
Step 8:補助金の受給
・補助金額の確定通知の受領
・請求書の提出
・指定口座への補助金振込
6. まとめ
三次市三次ブランド販路拡大支援事業補助金は、市内中小企業の皆様の成長戦略を強力に後押しする制度です。本制度の価値と活用のポイントを、以下の3つの観点からまとめます。
- 販路拡大機会の創出
本補助金は、単なる展示会出展への補助にとどまらず、成功につながる一連の取り組みを支援します:
・産業見本市等への出展支援により、大都市圏の新規顧客との商談機会を創出
・パッケージリニューアルによる商品価値の訴求力強化
・インターネット環境整備によるオンライン販路の開拓 - 戦略的な活用のポイント
補助金を最大限活用するためのポイントは以下の通りです:
・早期の計画立案と申請準備
・複数の支援メニューの組み合わせによる相乗効果の創出
・展示会後のフォローアップ体制の整備 - 活用時の留意点
事業を成功に導くための重要な留意点:
・申請前の十分な事業計画の策定
・経費支出に関する証拠書類の適切な保管
・実績報告書作成のための記録・資料の整理
補助金申請に関するサポート:
本補助金の申請や実績報告の作成にあたっては、弊所でもご相談を承っております。どうぞお気軽にお声かけ願います。
三次市三次ブランド販路拡大支援事業補助金は、皆様の事業拡大の大きな力となる制度です。特に、新技術や新製品の開発に取り組む企業の皆様にとって、その努力を市場での成功に結びつける重要なツールとなるでしょう。
申請を検討される企業の皆様は、まずは商工観光課への事前相談をお勧めします。担当者が丁寧にご説明させていただきます。また、本制度の最新情報や変更点については、必ず三次市の公式ウェブサイトでご確認いただくか、直接お問い合わせください。
三次市は、本補助金制度を通じて、地域企業の皆様の新たな挑戦を全力でサポートしてまいります。ぜひ、この機会を活用して、貴社の事業拡大にお役立てください。