こんにちは。広島県三次市で行政書士を務めております高杉将寿と申します。日頃より地域の皆様の様々な行政手続きのお手伝いをさせていただいております。
はじめに:ものづくり補助金の変更に対するとまどい
「令和6年度補正予算のものづくり補助金、前回と何が違うんだろう?」 「申請の仕方が変わったって聞いたけど、うちの会社でも申請できるのかな?」
このような声を、最近よくお聞きします。特に三次市のA社様からは「省力化枠がなくなったって本当?」、庄原市のB社様からは「補助金額が上がったらしいけど、うちみたいな小規模事業者でも対象になるの?」といったお問い合わせをいただきました。
確かに、令和6年度補正予算でのものづくり補助金は、前回から大きく変更された部分があります。今回は、その変更点について詳しくご説明させていただきます。
令和6年度補正予算ものづくり補助金の主な変更点
1. 申請枠の統合と簡素化
令和6年度補正予算のものづくり補助金では、申請枠が大きく見直されました。以前あった「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型〈DX・GX〉)」「グローバル枠」という複数の枠が、「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つに統合されました(引用元:ものづくり補助事業公式ホームページ https://portal.monodukuri-hojo.jp/)。
これにより、申請時の選択肢が減り、より分かりやすくなりました。例えば、三次市のA社様のような製造業の方は、新製品開発や生産プロセスの改善を目指す場合、「製品・サービス高付加価値化枠」での申請を検討することになります。
2. 補助金額の拡大
補助金額も大きく変更されました。特に、従業員21人以上の事業者に対する補助上限額が引き上げられています(引用元:令和6年度ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(概要)https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono_summary.pdf)。
- 5人以下:750万円
- 6~20人:1,000万円
- 21~50人:1,500万円(前回から250万円増)
- 51人以上:2,500万円(前回から1,250万円増)
庄原市のB社様のような小規模事業者の方々も、従来通りの補助金額で申請が可能です。さらに、大幅賃上げ特例を適用すると、最大3,500万円まで補助を受けられる可能性があります(引用元:令和6年度ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(概要)https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono_summary.pdf)。
3. 収益納付制度の廃止
これまでは、補助金を活用して得た収益の一部を国に返納する「収益納付」が必要でした。しかし、令和6年度補正予算のものづくり補助金では、この制度が廃止されます(引用元:[19]ものづくり補助事業公式ホームページ https://portal.monodukuri-hojo.jp/)。
これにより、補助金を活用して事業を成功させた場合でも、その利益を全て事業者が保持できるようになりました。安芸高田市のC社様のように、新規事業に挑戦を考えている方々にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
4. 賃上げ要件の強化
令和6年度補正予算のものづくり補助金では、賃上げに関する要件が強化されました。具体的には、以下の点が変更されています(引用元:令和6年度ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(概要)https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono_summary.pdf):
- 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上
- または、給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加(従来は+1.5%)
これは、政府が中小企業の賃上げを強く推進していることの表れです。三次市のA社様のような製造業だけでなく、庄原市のB社様のような小売業、安芸高田市のC社様のようなサービス業など、業種を問わず対応が必要となります。
5. 新たな特例の創設
令和6年度補正予算のものづくり補助金では、「最低賃金引上げ特例」が新たに創設されました(引用元:令和6年度ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(概要)https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono_summary.pdf)。この特例は、最低賃金に近い水準の従業員を一定期間以上、かつある程度雇用している中小企業の賃上げを支援するものです。
特例が適用されると、補助率が従来の1/2から2/3に引き上げられます。これにより、より多くの事業者が補助金を活用しやすくなりました。
6. 次世代法に基づく行動計画の公表義務
21人以上の従業員がいる事業者には、新たな要件として「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画の公表が義務付けられました(引用元:ものづくり補助事業公式ホームページ https://portal.monodukuri-hojo.jp/)。これは、仕事と子育ての両立支援など、従業員にとって働きやすい環境づくりを促進するための施策です。
例えば、三次市のA社様のような中規模の製造業者は、この要件に対応する必要があります。行動計画の策定や公表方法については、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
具体的な想定例
それでは、広島県内の事業者様の具体的な事例を想定してみましょう。
1. 三次市 A社(製造業、従業員数30名)の場合
A社は、金属加工を専門とする製造業者です。最新の複合加工機を導入し、生産性向上と新製品開発を目指しています。
- 申請枠:製品・サービス高付加価値化枠
- 補助上限額:1,500万円(従業員21~50人の区分)
- 必要な対応:
- 給与支給総額の年平均成長率2.0%以上の計画策定
- 次世代法に基づく一般事業主行動計画の策定と公表
2. 庄原市 B社(小売業、従業員数5名)の場合
B社は、地域に根ざした小規模な食品小売店です。オンライン注文システムの導入と店舗改装を検討しています。
- 申請枠:製品・サービス高付加価値化枠
- 補助上限額:750万円(従業員5人以下の区分)
- 活用できる特例:最低賃金引上げ特例(補助率2/3に引上げ)
3. 安芸高田市 C社(サービス業、従業員数15名)の場合
C社は、観光関連サービスを提供する会社です。インバウンド需要の回復を見込み、多言語対応システムの導入を計画しています。
- 申請枠:グローバル枠
- 補助上限額:1,000万円(従業員6~20人の区分)
- 注目ポイント:収益納付制度の廃止により、将来の収益増加を気にせず投資可能
専門家に相談するメリット
ものづくり補助金の申請は、事業計画の策定から必要書類の準備まで、多岐にわたる作業が必要です。特に今回の改正では、賃上げ要件の強化や新たな特例の創設など、複雑な要素が加わっています。
専門家である行政書士に相談することで、以下のようなメリットがあります:
- 最新の制度情報の入手: 補助金制度は頻繁に更新されます。専門家は常に最新情報を把握しているため、適切なアドバイスが受けられます。
- 的確な申請枠の選択: 事業内容に最適な申請枠を選択することで、採択率を高めることができます。
- 事業計画書の作成支援: 採択されるための説得力のある事業計画書の作成をサポートします。
- 書類作成の効率化: 必要書類の作成や確認を効率的に行い、申請までの時間を短縮できます。
- 要件充足の確認: 賃上げ要件や特例適用条件など、複雑な要件を確実に満たしているか確認できます。
- 申請後のフォロー: 申請後の進捗管理や、追加資料の提出などもサポートします。
まとめ:専門家への相談で、確実な補助金活用を
令和6年度補正予算のものづくり補助金は、前回から大きく変更された部分があります。申請枠の統合、補助金額の拡大、収益納付制度の廃止など、多くの事業者にとってメリットのある改正が行われました。
一方で、賃上げ要件の強化や新たな特例の創設など、複雑化した部分もあります。このような状況下では、専門家のサポートを受けることが、補助金の確実な活用につながります。
三次市、庄原市、安芸高田市の事業者の皆様、ものづくり補助金の申請でお悩みの際は、ぜひ専門家にご相談ください。私たち行政書士が、皆様の事業発展のお手伝いをさせていただきます。
【お問い合わせ先】 行政書士高杉将寿事務所 電話:0824-55-6663 初回30分無料相談実施中!まずはお気軽にご連絡ください。
ものづくり補助金の申請は、皆様の事業を次のステージに進める大きなチャンスです。専門家のサポートを受けながら、ぜひこの機会を最大限に活用してください。皆様のご相談をお待ちしております。